令和4年7月 ~決算期を終えて~

公開日 2022年07月01日

時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

日頃より弊社の不動産事業に対しまして、多大なるご尽力をいただき、役員・社員一同心より御礼申し上げます。

 

さて、元号が「令和」になってから現在に至るまで、「新型コロナウイルスの世界的蔓延による勤務形態の変化」「東京オリンピックの延期と開催」「ロシアによるウクライナへの軍事侵攻」「金融引き締めを図る欧米の中央銀行と大規模な金融緩和を続ける日銀」など、様々な出来事がありました。

そして、その都度多くの企業が経営的な判断を迫られ、どの業界においても栄枯盛衰の周期が近年と比較すると極めて短くなった印象を受けます。

 

中でもコロナ禍で「巣ごもり需要」として大きな影響を受けた業界として、物販系分野のEC市場が挙げられます。同じ物販でも実店舗を構えた場合の販売コスト面の違いやスマートフォンの普及によりECサイトを通した「時」と「場所」を選ばないことによる販路拡大など、EC市場は今後も異業種からの新規参入が予想される注目市場となっております。

とは言え、注目を浴びている成長期待のあるEC市場でもサービス系分野においては、コロナ禍による旅行・飲食・イベント関係の縮小・自粛等での落ち込みが大きく影響し、伸び率は同じEC市場の中でも雲泥の差となりました。

時々の世界・国内的な市況により、苦境に立たされている業界や分野がある一方で、幸いにも不動産業界全体の業績は昨年と同様に堅調に推移しております。

一時は下落すると予想されていた不動産価格も超低金利による住宅ローン借入可能額の拡大、ウッドショックをはじめとした建設資材の高騰、半導体不足による住宅設備の納期遅滞、それらに伴う新規の住宅供給数の減少等により需給のバランスが崩れ、都心部を中心としながらも郊外においても高騰を続けております。

 

弊社におきましても、業界の波に乗りながらも新たな挑戦を行う重要な転換期と捉え、社内独立制度による新役員の選任、そして新たな人材の確保に注力して参りました。

この転換期をチャンスと捉え、今まで以上に〈攻めの事業運営〉を継続すべく、2年前に再参入した「不動産競売市場」及びこれまでのお取引先やご紹介等をもとにした「一般市場」からの中古住宅仕入れルートをより強化し、更なる事業展開を図ったことで、安定した収益を今期も確保することができました。

その結果、お陰様で弊社社員においては、営業職はもとより経理・事務職含め全社員が3桁以上の賞与を今回も手にすることができました。

今後もさらなる飛躍を目指し、新たな人材確保を行いつつ、社内独立制度による各社独自のカラーで特出した営業上の強みを伸ばし、グループ全体のリスクヘッジを行いながらも次なる挑戦へ向けた新たなスタートをきります。

 

昨年の年初めに事業体制強化拠点として定めた「関西エリア」につきましては、首都圏エリア同様に人材の確保及びリフォーム会社をはじめとした各提携業者様との繋がりを強化することで、グループ内での独立した運営を任せることとなりました。

今後は今まで以上にエリアに密着した営業体制の確立を目指して参ります。

そして、従来の「住宅再生事業」に加え、「売買仲介事業」及び「賃貸仲介事業」を新たに立ち上げたことで、多方面からの収益の柱を確保し、より一層の市場開拓を推し進めることに成功しました。

 

これもひとえに各関係業者様、売主様及び買主様などの当グループ会社とのお取引に関わる皆様のご支援、ご愛顧の賜物と役員及び社員一同、心より感謝申し上げます。

そして、新たな期を迎えて、改めて「創業時の理念」に立ち返るとともに、自己資金での堅実なキャッシュフロー経営を継続し、弊社にしかできない「オンリーワンの住宅再生事業」を引き続き目指してまいります。

 

「創業時の理念」

1.金融機関を頼らない自己資金での無借金経営

2.損切りをしない確実な仕入れと的確な販売戦略

3.身の丈にあった成長を目指し、無理な事業拡大を求めない

 

今後、少子高齢化や人口減少、空き家の増加といった社会問題の深刻化に加え、人工知能やIoTといった新しいテクノロジーの発達などにより、日本全体を取り巻く社会情勢は目まぐるしく変わっていくことが予想されます。

住宅再生事業は今後も拡大が期待される市場ではありますが、他業種を含めた新規参入業者も多く、常に市況の動向を見極め、変化を加えながらの事業運営が求められております。

弊社では、不動産に対する幅広いニーズに応えるために、「リノベーション」による豊かな住環境を今後も提供し続けて参ります。

 

不動産業界の中でも「再生事業」という分野については、日本社会にとって重要な役割を果たすことが期待されています。

弊社におきましては、新たな挑戦として、中古戸建ての再販事業にも本格的に参入し、更なる事業収益の幅を広げる転換期として攻めの事業展開を図ります。

人々の生活に欠かせない「住」を提供させていただく事業者としての責任と誇りを感じながら、今後もより良いサービスを皆様にご提供できるよう努めて参ります。

今期も「オンリーワンの住宅再生事業」を目指し、これまで以上に皆様のご期待に添えるよう、当グループ役員・社員一同、一丸となり、さらに精進いたす所存でございます。

 

今後もより一層のご支援、お引立てを賜りますようお願い申し上げます。

皆様のご健康とご多幸をお祈りし、新たな期のご挨拶とさせていただきます。

 

 

最後に、新型コロナウイルスによる影響で亡くなられた方々に謹んでお悔みを申し上げます。

また、感染リスクを抱えながら最前線で献身的な治療業務をされている医療従事者の方々に最大限の敬意と感謝を表します。

罹患された皆様や困難な状況におられる皆様の早期回復と一刻も早い感染被害の終息を心よりお祈り申し上げます。

 

そして、ウクライナをはじめとした紛争地域一日早く平和な時間が戻ってくることを願っております。

 

 

令和4年7月1日

トランプ不動産株式会社

代表取締役 小池 俊夫